バチャータ日記

- My Body Doesn't Roll !! -

2019年と2020年

2020年が明けた。私がまだ親の庇護の元だった頃、年末年始は恒例の家族イベントがあり、行きつけの旅館で年越しをしていが、そこで、一人の時間がある時に、過ぎ去ってしまった一年間の振り返りと、新しい年の目標を整理していた事が思い出される。2019年も足早に過ぎ去り、もう新しい年が来たのかと少しの諦観と哀愁、さらに幾ばくかの期待が混ざった感情と共に、恒例行事となった振り返りを行いたい。
 
2019年は、特に後半は色んな事を投げ捨ててバチャータに没頭した年だった。仕事で大量のタスクに追われながら継続的にバチャータを続ける事は容易ではなく、ワークライフバランスが叫ばれる昨今の世情の中で、どうしてこんなに仕事の比重が重くならざるを得ないかを嘆いた日々。ただし、結局は多くの男子にとって、あるいは人類にとってかもしれないが、仕事は趣味みたいなものである事も否めず、また、自分もそれに類されるような人間だったために、気軽に定時を超えて自分の納得できる品質を出せるまで働いてしまう働き方も、ある種の賛同をもってしまう。また、その必然として、経営層が、(残業ありきで)高品質を定常的に出している従業員を見ながら、特段の稼働の予実管理もせず、危機感も覚えず経営する姿勢も納得できてしまう部分もある。型切りの定形ではない仕事をしている人間にとって、仕事はクリエイティブなものであり、業界団体や雇用されている会社による品質標準はあれど、進め方に関する標準などは基本的には無く、どこまで追求しても到達しきることはないものであり、また、製品にしろサービスにしろ、世界に唯一のモノやアイデアを創造している人たちにとっては、十分に趣味に相当するようなものになりうる。私も仕事を毛嫌いしているような事を口で言いつつも、その反面、プロフェッショナリズムと言えるような矜持も持っていた。

 

2019年は、バチャータの楽しさの発見と没頭、そして、仕事に対するプロフェッショナリズムと、バチャータへの愛とのバランスに苦悩した年とも言える。まったく音楽やダンスとは縁もない世界にいた私が、思いがけない切っ掛けから、音楽とパートナーと1つになる事に対する楽しさを知り、スポーツとアートの両方の側面をもつ妖艶な遊びに除々に夢中になっていった2018年。on1、バチャータ、キゾンバ、チャチャ、on2、ルエダなども含め、ラテンペアダンスを複数経験し(キゾンバをラテンとカテゴライズするのは正しくないが)、複数のダンスのそれぞれの違いと楽しさを知り、逆説的にバチャータへの愛が深まり、最終的にバチャータだけが残った2019年後半。この頃から仕事が除々に佳境に向かい盛り上がって行き、1日24時間という限定された時間の中で、どのように顧客も自分も満足できる仕事をしていきながら、バチャータを継続するのかが悩みの種だった。日によってやらなければならない仕事の内容も量も変わり、突発的な問題も処理しながらすすめるために、全てを計画通り執り行う事は難しく、時にバチャータを諦める夜や、プロフェッショナリズムに反して仕事をある程度で切り上げる事があった。どこかで成果物に対して、あるいは無限に品質を求め続ける同僚に罪悪感を感じながらも、一方であくまでも付加価値部分を切り詰めているだけのために、サービス品質自体には問題はなく、この姿勢で今後も仕事を貫くというのも1つの形なのではないかと逡巡する日々。実際、日本人以外は基本的にこのような働きをしている者も多く、このケースが該当する人の場合、一定の時間のみは価値創造のために全力を尽くすが、プライベートの時間を犠牲にすることは無い。どちらも正しいのだろう。なお、日本人以外にも、暇先からでも仕事をしているような人間が多数いることも付け加えておく。

 

効率化はもちろんだが、そもそもの仕事に対する姿勢や哲学が問われた2019年、そしてある程度はその形が見えてきた。私はもう仕事に対し120%まで到達しきることを続ける日々に戻れるとは思わない。それ自体に良い悪いはなく、ただ、各人の姿勢があるだけなんだろう。ただし、仕事上で強化しなければいけない部分もある。自分と顧客に直接関わる部分については、主観的にはある部分を諦めながらも、客観的には十分な成果を出してきたと思えるが、部下に関して十分なケアができたかと問われれば否である。親が子に責任を持つように、上司は部下に対する責任を持つべきである。少なくない人生の時間を共に過ごし、また剣になり盾にになって戦ってくれる彼らの人生を預かる身として、彼らの目指す人生から日々の細々した不満まで汲み取りたい思いはある。また、ダンスと同じで、やはり踊り慣れたペアが踊りやすく、また、普段何のコミュニケーションも無いのに、息のあったリードとフォローができるなどということは夢物語だ。非ダンサーは踊れない。サルサのみを知るフォロアーに、バチャータをリードすることはできない。双方がバチャテロだったとしても、ビギナーとアドバンスの二人だと、踊れるダンスに大幅な制限がでる。これは、上司部下だけでなく、経営者・従業員としても同じ事。人間が協力して何かを成し遂げるにあたって、有機的で継続性のあるコミュニケーションは不可欠だ。こんな当たり前の事を、当たり前にできていなかったのが2019年。仕事とプライベートのバランスに悩んだ2019年。今年は仕事に関しては、部下・同僚とのコミュニケーションや成果により気を配りたい。気を配るというのもまだ具体的なイメージが出来上がってないために、管理手法については、いくつかものの本に頼ってみようと思う。尚、ダンスに関してだが、元々は、サルサは現状維持、バチャータは多少の発展、キゾンバを中級レベルまでもってきてどこで踊っても恥ずかしくないレベル程度にするというのが2019年の目標であった。キゾンバは楽しく習っていたし、入門、初級、中級とクラスも順調に上げていたが、最終的に習う事をやめてしまった。これはサルサと同じ理由ではあるが、楽しいといえば楽しいが、バチャータが一番没頭できた上に、サルサやキゾンバを心の底から自分が必要としているようには感じられなかった。バチャータに対しては、単純な楽しい遊びと言い切ることのできない、愛情と言い換えてもいいかもしれない何かがある。バチャータを聴いている時の心の平穏、動画を見ている時の没頭、クラスを受けている時の欣然、ソーシャルの時の陶酔と現実世界からの隔絶感。概ね、何事に対しても煌びやかに感じたり、熱狂したりする感性を無くしてしまって久しい(と思っていた)が、バチャータのように自分が静かに熱狂するものがまだあるとは思っていなかった。恐らくこれが人生で初めてで、そして最後になる、最愛の趣味と呼べるものになるのではないかとも思う。そんな愛してやまないバチャータが、様々な心に残る出来事を運んできてくれ、また、色んな人とも出会わせてくれて気のおけない仲間もできた。その一方で、バチャータが原因で気がかりになっている事もある。バチャータが大好きなバチャテロの一人として、バチャータが原因で気がかりや心配ができるのは心苦しいし、この道は何かが間違っているという自覚もある。バチャータで、自分だけでなく自分の周りも幸せになり、また、自分の周りだけでなく世界を少しでも笑顔にできる道筋について考えてみたい。この道筋をつけるところを2020年の目標としてみる。

 


さて、堅苦しい内容はこのくらいとし、2019年の楽曲と共にもう少し振り返りをしたい。


DJ TRONKYの2019年 TOP15 バチャータリミックス

www.youtube.com

 

当然TRONKY以外のリミックスは無かったり、TUTUが何故か2位になっていたり納得行かない部分もあるが2019の概要レビューには良い内容になっている。2019年当初は良い曲が出てこず、バチャータ不作の年かと思ったが、終わってみれば沢山のバチャータオリジナル、あるいはリミックスの名曲が生み出された。(たぶん)2019年にリリースされた私の好きな曲は以下。順不同。

 

SP Polanco - Man Overboard (feat. Pinto Picasso

https://www.youtube.com/watch?v=YynkHg29O3U

 

Natti Natasha - La Mejor Version De Mi (DJ Tronky Bachata Remix)

https://www.youtube.com/watch?v=2qwgeE_auV0

 

Enchochado De Ti (cover) Andrea Sinaguglia & Dj Tony Pecino
 https://www.youtube.com/watch?v=x1v0egIFJZw

 

Perdoname - Mau y Ricky (Bachata Remix Vladi & Melvin War)
https://www.youtube.com/watch?v=fUsBai4VB7E

 

Shawn Mendes, Camila Cabello - Señorita (DJ Tronky Bachata Remix)
https://www.youtube.com/watch?v=t0Ti70q7RUw

 

Bubalu
https://www.youtube.com/watch?v=mq8mZEA9Jus

 

When I'M With U (feat. Pitbull, Grupo Extra, A Rose Jackson) (Spanglish Bachata Edit)
https://www.youtube.com/watch?v=18hZL900dxk

 

MUNDO SIN TI - Manny Rod Ft. Katy Jara (Bachata)
https://www.youtube.com/watch?v=R-XLwNnWes0

 

OYE (Bachata Remix) DJ John Moon
https://www.youtube.com/watch?v=Toobke5-WOY

 

Kewin Cosmos - Como Los 90s ft Dj York & Dj Manuel Citro ( Bachata Version 2019 )
https://www.youtube.com/watch?v=kCANdEUzaZ0

 

Si pasa O no - (Bachata Remix By Dj Khalid)
https://www.youtube.com/watch?v=_naBJw7x5gU

 

ENTRE LOS DOS - Karlos Rose (Bachata)
https://www.youtube.com/watch?v=mV2_GOusDdU

 

Mickey Then - Antojito
https://www.youtube.com/watch?v=2H3xg-Hu68c

 

ESTADO DECADENTE - Kewin Cosmos (Bachata)
https://www.youtube.com/watch?v=QAib1l7R7A4

 

Alejandra Feliz - Seis Nueve feat Jay Ramirez - #BACHATA 2019
https://www.youtube.com/watch?v=V2II3zsAAVs

 

Hookah & Sheridan's - Mr.Don Ft: Dj Khalid (Versión Bachata)
https://www.youtube.com/watch?v=vmbaZSTSxB4

 

素晴らしい曲ばかり。Man Overload を初めて聴いたときの衝撃は今も覚えている。そして、2020年も見ぬ名曲と出会える思うとドキドキする。見知らぬ名曲との出会いは、まるで若い頃の盲目の恋のような感覚に近い。本当に良い曲に出会ったときは、他の人など眼中にないように同じ曲ばかり聴いてしまう。まるで何度会っても飽きないように100回以上も聴いてしまう。あるいは、一時も離れられないように聴きながら就寝してしまう事もある。恋い焦がれながら待った1年後に再開するように、フロアで流れた瞬間に熱狂とともにすぐに踊ってくれる上手いパートナーを探すことがある。

世界中のバチャテロ達にとって、あるいはこれからバチャータを好きになる人たちにとって、2020年が、ダンスフロアの外と中のどちらでも、新しい名曲に次々に出会うような喜びに溢れた素晴らしい日々になりますように。私にとっても、仕事においてもバチャータにおいても新しい発見と発展のある実りの多い年になりますように。